大判例

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最高裁判所第一小法廷 昭和29(あ)920 判決

主 文

本件上告を棄却する。

理 由

弁護人村上富士太郎の上告趣意は憲法違反を主張するけれども、記録によれば被

告人は原審において「弁護人選任に関する通知書並回答書」の送達を受けながら弁

護人選任の請求をした証跡はなく、しかも原審第一回公判期日の召喚状は一旦被告

人転居のため送達不能となつた後郵便に付して送達されたのであるが、被告人は該

公判期日に出頭せず、原審は被告人のため弁護人を選任の上開廷し、その弁護人に

おいて何等異議を述ぶることなく被告人提出にかかる控訴趣意書に基づき弁論をな

していることが認められるのであるから当裁判所大法廷の判例(昭和二五年(あ)

第二一五三号同二八年四月一日大法廷判決、判例集七巻四号七一三頁以下参照)に

徴し、原判決に所論の違法ありということはできない。論旨は採るを得ない。また

記録を調べても刑訴四一一条を適用すべきものとは認められない。

よつて同四〇八条により裁判官全員一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二九年九月三〇日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 岩 松 三 郎

裁判官 斎 藤 悠 輔

裁判官 入 江 俊 郎

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